裏板とマットボードの新設例

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交換できる裏板材 ①〜④に素材に応じた劣化対策とともにご案内しております

①中性ダンボール(アーカイバル製品:C×Dコンサベーションバイデザイン社 または国産特種製紙製品)

②特殊ハッポー アルミ箔仕上げ

③プラスチックダンボール(硬質タイプ)

④一般ベニヤ板

裏板の素材が好湿材の場合、カビ発症源となり、人体に害を与える畏れがあります。とくに額の裏側という見えない箇所のため発見が遅れます。一定の部屋に入ると咳が出るような場合は、額縁の裏板も念のためご確認ください。

この症状は、やがて額縁構成材料のマットボードまで、さらに作品まで劣化させます。定期的なメンテナンスを心がけましょう。当店近郊であれば実費にて確認作業を申し受けます。確認が困難な高所展示や重量物などお困りでしたらご連絡下さい。


 裏の帯状の白い部分は本体裏板の格子の部分です。黄変色の所は袋状の空間部分です。和額で一般的な裏板仕様です。劣化因子が作品側に移行し、劣化速度を速めます。マット交換をおすすめする理由です。

作品止めテープ糊が酸化して赤く変色しています。この酸化は作品にもそのまま移行しています。

また作品から外れてパラパラと剥離していましたが、コーナーが支えてくれていました。


 当店が工房エストより受け継いだRデザインマットとトップマットとの組み合わせです。

 Rマット裏面は作品と接触しますので、接触劣化させない素材でカバーしています。

 作品側の裏側にはさらにもう一枚の中性ボードを設置したり、ミューズ社のスーパーバリアシート(PAT合格品)を設置します。

 最後の裏板はアルミ箔カバーのホワイトボードを使用します。(画像なし)



安全な構成材料への早めの交換が、とても大切です。

額縁とカビ マットボードの劣化
額縁とカビ マットボードの劣化

安全な紙の評価と寿命

「安全な紙」とは少し抽象的です。門外漢なりに解釈すれば、用途にふさわしい耐性や適性を比較的長く維持しうる紙、という意味だと理解しています。

当店に約して言えば、水彩画向けの用途は立派に果たし、自らは劣化しにくい中性紙ですよ、といったことになります。

しかし、作品の完成という用途が終わった後の寿命まではカバーしきれません。 例えば、酸性紙化(黄変)が代表的です。この状態に至らしめる一次劣化要因として、湿度や温度の急激な変化、カビ発生、虫喰い、接触物からの劣化因子の移行があります。安全な紙(用途に適した素性の紙)であっても、保管環境が紙の寿命には深く関係していきます。

 


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